家族の介護に備えた貯金の必要性

家族に介護が必要な事態になった場合、今後の生活でどれだけの金銭的な負担が生じるかを正しく把握しなければいけません。要介護者に適切なケアを施すには介護施設などの福祉サービスを利用する他、居住空間の改善も必須です。家族が快適に日々を過ごすための出費は決して安くないことから、要介護の状態になってしまう時に備えて金銭の管理を徹底する必要があります。

介護に関する補助もありますが、あくまでも不足分をある程度補うための制度であり、金銭の負担が一切なくなるわけではありません。要介護者として認定されれば様々な補助を受けることができますが、それでも自身による金銭の支払いは必要なのでその点は注意しなければいけません。

要介護者へのケアにどれだけの出費が生じるかはケースバイケースなので一概に言い切ることはできませんが、福祉制度に基づく補助を受けたとしても家計が圧迫される可能性は否定できません。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、40代の平均的な貯金の金額は約650万円です。要介護者向けの住宅リフォームにかかる費用が約50万円、介護施設など福祉サービスの利用費が年に約120万円とされているので、5年で貯金残高が0円になります。貯金は要介護者へのケアだけに用いるのではなく、他の家族の生活費にもなるので楽観視はできません。要介護者への適切なケアを行いつつ、他の家族の暮らしにも余裕を持たせるには残高に気を配り、効率的な貯蓄を行うことが備えの基本です。