現代社会の大きな問題の1つとなっているのが介護難民です。介護難民とは介護が必要であるにもかかわらず、病院や介護施設、自宅でも介護を受けることができない人のことを言います。さらに、超高齢化社会の2025年問題も目前に迫っています。これは国民の3人に1人は65歳以上になり、5人に1人が75歳以上を迎える超高齢化社会がすることを意味します。
2025年問題は国も備えが必要と判断し、在宅介護と介護予防を重視する政策である地域統括ケアシステムの構築を進めています。地域統括ケアシステムが目指すのは、要介護状態の高齢者が自分の住み慣れた地域で暮らし続けることです。この政策は、地域が一括して住まいと医療、介護やその予防、生活支援などを提供する体制が取られています。
厚生労働省調べの介護分野の最近の動向(2019年6月25日時点)では、これから先は高齢世帯の3分の2が単身または高齢夫婦のみになると予想されています。起こることが予想されるのは、在宅介護であれば高齢者同士の老老介護や認知症者同士の認認介護の問題です。介護難民が増加の一途をたどっていることは、特別養護老人ホームへの待機者数が増加していることからも判断できます。
入居条件が要介護3以上に引き上げられて以降は、料金が安価な特別養護老人ホームの待機者は減少しています。しかし実情は約30万人の待機者が全国にいると言われています。介護サービスへのニーズが高まることで、2025年には国内の介護職員が推計で240から250万人必要になると言われています。これらの問題を踏まえ、さまざまな備えが求められています。